二階堂亜樹が描くMリーグの未来像。「チームが増えてJリーグのように1部・2部で入れ替え戦がしたい」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「『Mリーグで麻雀を覚えました』という声をかけていただく機会が増えましたね。まったく麻雀を知らない人が、Mリーグに出ている選手がきっかけで麻雀を見るようになったという声も聞きます。ただ、基本的にまだ箱推しではなく、単推しなんですよね。

 プロ野球やJリーグのように、選手は応援するけどあくまでチーム推しになっていければ、Mリーグが本当に浸透したって言えるのかなと思います。あと、もっとチームが増えるのも面白いと思うんですよね。Jリーグのように1部と2部で入れ替え戦をしたり」

---- 麻雀普及のために生まれたMリーグですが、まだ手を入れる余地はたくさんありそうですね。そのMリーグで亜樹選手が心がけていることはありますか?

「見ている人が納得できる麻雀を打つのか、それとも自分が打ちたい麻雀をするのかは、難しい問題ですよね。自分が納得する麻雀を打って勝ち負けを決めたいプライドはあるのですが、それをMリーグでやることは果たしてエンターテインメントとして成立するのか、と悩んだりします」

---- 半荘1回は個人の勝負だけど、それがチームの結果を左右する難しさもあるんでしょうね。

「Mリーグはチームを優勝させる目的に向かって、みんなで力を合わせて戦う。そのドラマを見てもらうことも意識していますね。だから、自分が納得する麻雀を打って、優勝が遠のいたりするのは本末転倒な気もするし。

 ただ、麻雀は細工なんてしなくても、みんなが一生懸命打てば絶対にドラマが生まれるものなので、ゲームを壊すような打ち方だけはしないように心がけています。自分が『麻雀は強い』と、Mリーグだけを見る人には思われなくてもいいやって割り切っています(笑)」

---- Mリーグでの4年間は、攻守のバランスを模索された4年間でもあったと感じます。初年度はガチガチに守っていましたが、最近は出る時は出ていますよね。

「もともと守備寄りの打ち手なんですけど、チーム戦に慣れてなかった初年度は、どれくらい踏み込みの強さを出しながら打てばいいのか迷っていましたね。『チームに迷惑をかけたくない』とかゴチャゴチャ考えて、最終的におとなしくなっちゃうみたいな。Mリーグのルールはトップが超偉いのに、頑張ればトップになれる時でもラスにならないような選択をして......。

 だから1年目が終わったあとにディスカッションして、チーム戦に対する考え方をチーム内で統一しました。今は初年度よりも、ルールにアジャストできているんじゃないかって思っています」

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