瑞原明奈がふたりの子どもを育てながらMリーガーを続けられる理由。「お金は説得力になる」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「第一子の時は『マザーズ・ハイ』じゃないですけど、アドレナリンみたいなのが出ていた気はします。本当に無敵モード。ひとり目の子は夜も全然寝ないし、夜泣きもひどくて手がかかったんですけど、大丈夫でしたね。ずっと子どもがほしいと思っていたこともあって、この子のためなら何でもできるみたいな気持ちがあったせいか、なんとかなっていました」

---- 赤ん坊が寝たのでネット麻雀を始めたけど、途中で起きたなんてこともあったんでしょうね。

「ありましたね。『寝たと思ったら30分で起きた、ネット麻雀、まだラス前』みたいな。ネット麻雀でさえろくに打てない時期もあったんですけど、仕方ないなと割りきっていました。できないことを焦っても何もメリットはないので。その時にできることを、できる量でやろうというのをベースにしてやっていました」

---- 第一子だけでも大変なのに、Mリーグに参戦された2019年には第二子を出産されているんですよね。

「そうですね」

---- 4歳の幼児と新生児を抱えてのMリーグ1年目は、想像を超える大変さがあったと思うのですが。

「それ以前までと同じやり方はさすがに厳しいということで、夫や夫の家族を含めた家族全体でバックアップしてもらって乗りきりました」

---- 瑞原選手の競技麻雀への熱量を知っているとはいえ、家族がそこまでしてMリーグのために協力的になってくれる。その最大の理由はなんだったのですか?

「個人的に大きかったと思うのは、Mリーグは年俸制でしっかりと報酬がもらえるということです。家族に対して、それがひとつの説得力になっていて。報酬が出るわけでもない、むしろお金を払わなきゃいけないプロ雀士活動に『行きたいので、子どもをお願いします』と言っても難しかったと思うんです。

 でも、Mリーグは企業にスポンサードしてもらって、報酬をもらう形になっている。夫にも夫の家族にも納得して協力してもらえた感じがあったので。お金は説得力になるなと思いました」 

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