史上初の快挙を遂げたロコ・ソラーレの吉田知那美。「(将来)カフェをオープンできたら楽しそう」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――今後、データ戦略についてはより加速していくのでしょうか。

「データはデータでしかないので、どう使うかにもよりますよね。だとしても、今後どう細分化されていくのかわかりませんが、データを基にプランを作ったり、戦略を立てていったりするチームが増えていくのは面白いなと感じています。

 すでにカナダはもちろん、中国などでも強化プランの一環として、データマンを主要大会の会場に送り込んで、国としてそこで得たデータを活用しています。日本でも今後は、データマンというのが職業になって、他国に対しての対策データを取りにいく人、アナライズして戦略に落とし込む人が必要になってくると思います」

――それほど遠い先の話ではなさそうです。

「データマンなど、特に戦術に反映されるスタッフは、カーリングを競技として知っている人でないとできない役割です。そういう意味では、今季から小笠原歩さんがJCA(日本カーリング協会)の理事に就任し、強化に携わってくれていることは、とても心強いです」

――知那美選手は北海道銀行時代、その小笠原さんとも一緒にプレーしていました。そこからかなりの時間が経過していますが、カーリングに対する思いや、カーリング界における自らの立ち位置など、変化はありますか。

「若い時は自分のキャリアのことだけを考えて、どうなっていくのがいちばんいいのか、そのことをいちばん重要視していました。ですから、正直に言えば『ソチ(五輪)が終わったら、もう(カーリングはやめても)いいや』と考えていた部分もあります。でも、ロコ・ソラーレに入って、今のメンバーと出会って、いろいろな人と関わっていくなかで、自分の気持ちは変わってきました。

 ありがたいことに、これまでにカーリングでの夢や目標についてはいくつか叶えることができましたが、自分の夢が叶えばそれでいいのかと言えば、そうではありません。オリンピックに出る。メダルを獲る。そして、グランドスラムのタイトルもそうですが、その体験や準備を経験している選手は(日本には)まだ多くないですから、(後進に)そういったことを伝えていくのは、私たちの役割なのかなと思っています」

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