2022年初場所で錣山親方が注目する力士4名。相撲の特徴や取組の内容は? (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 若手に目を向ければ、新入幕の王鵬の活躍ぶりが際立っています。昨年の夏場所(5月場所)で再十両を果たした時にも触れましたが、祖父が横綱・大鵬関、父が関脇・貴闘力というサラブレッド。さらに、次男(幕下・納谷)、四男(幕下・夢道鵬)も力士という相撲一家です。

 十両を1年ほどで卒業し、「新入幕の今場所はどうかな?」と注目していましたが、初日から期待以上の相撲を見せています。幕内の土俵でのびのびと取っているし、これまでテレビで見ていた力士たちと実際に相撲を取れるうれしさが満ち溢れている感じがします。

 技術的にはまだ決まった"型"はないようですが、左からのおっつけがいいので、個人的には押し相撲を伸ばしたほうがいいと思っています。

 現在はコロナ禍にあって出稽古ができないため、王鵬にとってはほぼ毎日が初めて対戦する相手との取組。ベテラン力士にはうまく取られてしまうこともあるでしょうが、負けても自分の相撲を取りきってほしいところ。経験を重ねた1年後、どんな力士になっているのか、すごく楽しみです。

錣山(しころやま)親方
元関脇・寺尾。1963年2月2日生まれ。鹿児島県出身。現役時代は得意の突っ張りなどで活躍。相撲界屈指の甘いマスクと引き締まった筋肉質の体つきで、女性ファンからの人気も高かった。2002年9月場所限りで引退。引退後は年寄・錣山を襲名し、井筒部屋の部屋付き親方を経て、2004年1月に錣山部屋を創設した。現在は後進の育成に日々力を注いでいる。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る