エース・小林陵侑が語るスキージャンプと究極の夢。「勝ち続けることが難しい競技。それを知ってほしい思いもあった」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 國政 崇●撮影 photo by Kunimasa Takashi

1回できていたことができなくなって苦しむことも多いが、経験すればするほど、求めるものが高くなるとも言う。

「それに到達したいと考えると、終わりのないスポーツだと思います」と笑う小林は、その先の夢をこう話す。

「今、思っている究極の夢は、2030年に札幌五輪が開催されたらそこで金メダルを獲って、そのシーズンのW杯総合(優勝)も獲り、その次も......と何年間か強くい続けることですね。その先はW杯で戦い続けたいと思うかわからないけれど、飛ぶのは楽しいので続けたいとも思います。北京五輪もメダルを獲らなければそこへ向けての通過点にはならないと思うし、金メダルを獲ったらどのくらい日本のジャンプ界が変わるのかな、というのもあるから、それも楽しみです」

「北京五輪へ向け、まずはW杯で1勝したい」と話していた小林は、開幕戦で2位、第2戦は予選のスーツ違反で失格になって初勝利は逃したが、第3戦のルカ大会では2本目に最長不倒の143mを飛んで優勝を果たした。その後、PCR検査で陽性反応が出たことにより、次の出場は第6戦からとなる見込みだが、「症状も出ていなくて元気」と言うだけに、W杯総合優勝をした3シーズン前のような快進撃も期待できそうだ。

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