スポーツ万能の忽滑谷こころアナ。一輪車は得意でも自転車に乗るのは怖い?! (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

──パラリンピックはいかがでしょう?

 女子マラソン・視覚障害のクラスで金メダルを獲得した道下美里選手のレースが印象深いです。目がほぼ見えないというハンディキャップがありながらも、それをまったく感じさせないすばらしい走りでした。彼女のことは前々から応援していて、今年44歳という年齢でも、明るく前向きに競技に取り組んでいる姿勢がすごく好きなんです。

 それと志田淳さんと青山由佳さんという、伴走の方々がいるんですけど、選手と彼らをつなぐ"伴走ロープ"は「絆(きずな)」と呼ばれていて、それほど大切でこだわりがあるんだと、テレビで特集しているのを見たことがあって。私たちには知り得ない想いや奥深さがたくさんあるなと、そしてもっとパラ競技について知りたいなと思いました。

──ひとりでは目的地にたどり着けなくても、仲間とならゴールまで走りきれる。チームの絆の強さが伝わるレースでした。

 そうでしたね。ふだんは忘れがちですが、私たちもたくさん周りから支えられている。それを思い出させてもらえるというか、一つひとつのことに対する周囲への感謝の気持ちを常に持ち続けなければいけないと、改めて教えてもらえた気がします。

──ここまで今年のスポーツ名場面についてうかがいましたが、忽滑谷さんの競技経験についても教えてください。幼少期からクラシックバレエを習っていたんですよね。

 はい。まだ3歳のとき、地元のクラシックバレエの発表会を見に行ったことがあって、そのあとすぐに「これがやりたい」と両親に頼み込んで始めました。あまり上手いほうではありませんでしたが、とにかく踊ることが楽しくて。気がついたら結局、中学高校でもダンス部に入ってジャズやヒップホップなど、いろんなジャンルのダンスに挑戦し続けていましたね。

 聖心女子大学文学部進学後もダンスを続けようと思っていたのですが、そこのダンスサークルが、スタジオを借りる料金や時間帯の関係で、終電から始発の間に練習するということで参加を断念したんです。「さすがに寝てしまうな......」と思って(笑)。そこで実は母が聖心女子大のラクロス部出身で、創部当時のメンバーということもあり、「楽しいから」と勧められて入部することにしたんです。

──実際にやってみていかがでしたか?

「究極のチームスポーツ」だなと経験して感じました。そもそも比較的新しいスポーツでもあるラクロスは、五輪に正式競技として採用してもらうために動いていくうちに、毎年ルールが変わるなど、まだまだ発展途上の競技なんですね。それでも絶対に変わらないのが、選手ひとりでも手を抜くと、ボールをゴールまで運べないというシステムです。出場する10人全員が全力でプレーしないとまず勝てない。チームワークが一番重要視されるスポーツと言っていいでしょうね。

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