スピードスケート男子、世界への逆襲。平昌ではメダルゼロも北京五輪では期待大 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 平昌で男子が注目されなかったのを見て、「次の北京では自分が男子に脚光を浴びせたい」と思う新戦力が力を伸ばしてきた短距離に対し、中・長距離は平昌五輪代表組が奮起をして世界に迫ってきている。その中心になっているのが、5000mとチームパシュートで平昌に出場した一戸誠太郎(ANA)だ。

 18年12月のW杯では1500mで2位になり、大黒柱として戦うチームパシュートではW杯2シーズンでの優勝1回、2位3回、3位1回や、20年世界距離別選手権の2位に貢献。さらに個人でも20年世界オールラウンド選手権で、日本男子23年ぶりの表彰台となる総合3位になり、それまで世界に通用しなかった中・長距離をレベルアップさせた。

 チームパシュートは国際大会出場をしなかった昨季、世界選手権と同時期に行なわれた全日本選抜スピードスケート競技会長野大会(長野選抜)で先頭交代をしない新システムに挑み、世界選手権優勝のオランダの記録を1秒以上も上回る3分39秒72を出して金メダルの可能性を高めている。

 一戸は今回の距離別で1500mと5000mは大会新で優勝し、1万mは2位と好調。特に1500mは、昨年の世界選手権3位に相当する1分45秒21だった。それでも「1500mは1分44秒6を目標にしていましたが、ラスト1周ラップが落ちて届かなかったのが悔しかった。1分44秒台を出せば北京でも十分にメダルを目指せると考えているので、年末の代表選考会ではそれを出したいです」と高い目標を持つ。

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