カーリング史に残る死闘を制したロコ・ソラーレ。崖っぷちからの3連勝にはワケがある (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by(C)JCA IDE

 結果的には「(うまくいかずに1点をとってしまって後攻が相手に移る)リスクあるから、(トライしなくて)いいよ」という鈴木の意見もあり、ブランクエンドとなったが、ロコ・ソラーレの「1%でも可能性があれば、検討する」あるいは「よりよい石の位置、ベターでなくベストを求める」という貪欲さが、北海道銀行に対してボディブローのように小さなプレッシャーをかけ続けた。明暗を分けたのは、そんなところにもあるのではないか。

 準備のディティールと貪欲な姿勢、強靭なメンタルで日本代表の座についたロコ・ソラーレは、冒頭で触れたオランダ・レーワルデンでの北京五輪最終予選に向けて、再びピーキングを始めることになる。

 最大9カ国で競われる大一番には、2018年平昌五輪銀メダルの"メガネ先輩"ことキム・ウンジョン率いる韓国代表や、同4位で日本と銅メダルを競ったイギリス代表など、強豪がひしめく。劣勢になることも少なくないだろうし、黒星がつくことだってあるに違いない。

 それでも、崖っぷちから自分たちを信じて3連勝を成し遂げたロコ・ソラーレならやってくれる。"カーリング・ニッポン"の総力を、世界に見せつけてほしい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る