見延和靖が危機感を抱くフェンシングエペの未来。「今の状態を続けてもパリで勝ててもそこで途絶える」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by SCENTMATIC

 世界ランキング1位になった時には、それが少し見えてきたという見延。自分のプレーを振り返り、「世界トップの2~3人しかたどり着いていない」境地があると感じた。だがそのあとでケガをして剣を握れない時期があったため、感覚をつかみかけただけで言語化できなかった。

 今回の日本チームの最年長34歳になった見延だが、「自分はまだベテランじゃないし、中堅に差し掛かってきたくらい」とまだ現役への意欲は高い。団体戦で優勝した今回、「メダルが獲れる」と思って臨んだ個人戦では10位に終わった悔しさもあり、「次こそは」という思いもある。

「これまで自分がエペで勝ち続けることがフェンシングの普及につながると思ってやってきたので、これからも勝ち続けるための努力をしていきたいですね。ただトップの強化に力を注いだことでジュニア世代との差が広がってしまったのは事実だから、これからはもっと広い世代で交流して、自分たちがやってきたことを伝えて、選手層の幅を広げていきたい。その中で僕ができるのは背中を示し続けていくことだと思うし、自分もフェンシング選手というより、フェンシングの職人と言われるまでになりたいですね」

 誰も成しえていない境地までたどり着きたいと思う見延。彼の着地点はまだまだ先にある。

(前編を読む)

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