才媛アスリート・小平奈緒がオランダ留学で学んだ本場の「語学と殺気」 (5ページ目)

  • 宮部保範●取材・文 text by Miyabe Yasunori
  • photo by Kyodo News

──来年、北京冬季オリンピックが開催されます。北京の位置づけは?

「今の延長線上に迎えられるものなのかなと思っています。昨シーズンは悩んだ部分があって、思い通りの結果につながらなかった。ですが、4月からの状態の変化を見ると、シーズンが来て氷に乗った時に、『面白くなりそうだな』という手応えがあります。そこを氷の上で自己表現したい。

 その舞台が普段練習しているエムウェーブ(長野市オリンピック記念アリーナ)だったり、ワールドカップだったり、あるいはオリンピックのようなザワザワと鳥肌がたつような雰囲気の中だったりというところにあるのかなと。あまりこう、2連覇とかは......(笑)」

──最後にもうひとつ。信州大学に入るときに、学校の先生にもなりたかったと言われました。もし、今、中学校の先生になれたとしたら、生徒たちにご自身の学びをどのように伝えたいですか。

「準備されたカリキュラムをこなすだけの学びではなく、その子たちを前にしたときに起きる出来事に対して、声をかけたいですね。自分の学びを伝えたいというよりは、その子たちが悩んでいることだったり、目指していることに取り組む表情に触れた瞬間だったり、そうした生きた学びっていうのを大切にしていけたら、その子たちにとってもいいし、私にとっても充実した日々になると思います」


Profile
小平奈緒(こだいら・なお)
1986年5月26日、長野県生まれ。相澤病院所属。3歳からスケートを始め、信州大学在籍時代より結城匡啓コーチに師事する。卒業後、2009年に相澤病院に就職。同年の全日本スピードスケート距離別選手権500、1000、1500mで三冠。2010年バンクーバーオリンピックの団体パシュートで銀メダルを獲得。2018年平昌オリンピックでは500mで金メダル、1000mで銀メダルを獲得した。

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