体操・村上茉愛へ盟友・寺本明日香が託す思い。57年ぶりのメダルへ「絶対にいける」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

「東京五輪の団体出場権がかかった2019年世界選手権は、どうしても茉愛に入ってほしかったけど、NHK杯をケガで棄権したからどうしようもなくて。茉愛が入らず試技会の点数もギリギリになっていたので、すごいストレスでした。だから、あの世界選手権は『茉愛のために権利を取るんだ』という気持ちで演技をしていました。それで今年はもう、『次は茉愛に託すんだ』という気持ちでずっとやってきました」

 こう話す寺本が、東京五輪の村上に期待するのは、個人総合と種目別ゆかのメダル獲得だ。獲得すれば、体操での女子のメダルは1964年東京大会の団体銅メダル以来57年ぶりだ。

「金メダルではなくても、何かメダルを獲ればすごいこと。何色でも一緒に見えます。あまりそういうことを言うとプレッシャーがかかりますが、絶対にいける気がするんです。それを実現してくれれば、私が2019年の世界選手権で出場権を取ってきてよかったと、心の底から喜べます」

【profile】 
寺本明日香 てらもと・あすか 
1995年、愛知県生まれ。ミキハウス所属。小学1年から体操を始める。16歳で初出場のロンドン五輪で団体8位、リオ五輪では団体4位入賞に貢献した。2019年世界選手権ではキャプテンとしてチームを引っ張り東京五輪の団体出場枠獲得を果たす。2020年2月に左アキレス腱を断裂。3回目の五輪出場をかけた全日本選手権では6位だった。

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