再び休場の両横綱に代わって、錣山親方が三月場所で注目する3人の力士 (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

大関復帰が現実味を増してきた照ノ富士大関復帰が現実味を増してきた照ノ富士 周知のとおり、かつて大関として活躍していた照ノ富士は、ヒザのケガや内臓疾患などにより、休場を重ねて序二段まで番付を下げてしまいました。しかしそこから、一念発起して関取に復帰。昨年の七月場所には幕内の土俵に戻ってきて、幕尻での優勝という快挙を果たしました。

 以降、番付を上げながら好成績を重ね、昨年十一月場所で13勝、今年一月場所でも11勝を挙げ、今場所で9勝以上すれば、大関昇進基準(直近3場所の勝ち星が33勝以上)をクリアすることになります。初日から4連勝と好スタートを切った今の照ノ富士なら、その可能性はかなり高いでしょう。

 前半戦のポイントは、3日目の大栄翔戦でした。このところ苦手にしている相手に対して、どのような相撲を取るか注目していましたが、照ノ富士らしい豪快かつ緻密な相撲で勝利。この一番を見て、悲願達成がグッと近づいたと思いました。この調子を維持して、できれば10勝以上挙げて、大関復活を決めてほしいですね。

 昨年十一月場所で2度目の優勝を飾って、今年一月場所で「綱取り」にチャレンジした貴景勝も、今場所は元気なところを見せています。一月場所では無念の休場に追い込まれ、今場所は一転、カド番といった状況にありますが、彼本来の押しに徹して、相手を引く相撲が少なくなっていることが、勝ち星につながっていると思います。

 貴景勝については、体重を183kgから166kgへと17kgもの減量を敢行したことも話題となりました。本人が「トレーニング法を変えた」と言っているように、その体つきを見る限り、無理なダイエットをしたようには見えません。余分なものを削ぎ落して、改めて筋肉をつけ直したのではないでしょうか。

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