オリンピック決勝の日に生理。潮田玲子&中川真依が女性のコンディション作りの難しさを語る (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko/AFLO

中川 私たちは水着ですが、最初はタンポン自体も抵抗がありました。でも生理で休むことはなかったし、タンポンしか選択肢がなかったんです。基本的に男性の指導者が多いなかでそれを相談するのも難しいし、年齢的にも恥ずかしいと思う時期でもありますよね。低用量ピルや生理周期の話やそのリスクに対する教育が、ナショナルチームとかに入る前から整っているのがベスト。女性として生きていく上で必要なことだと思います。

潮田 生理が始まる前後あたり、中学生のときには教えたほうがいいですよね。日本だと「ピル=妊娠を避けるためのもの」という認識がある。だからピルが生理周期を整える、痛みを軽減させる効用があることに、最初はビックリしました。それって誰も教えてくれないんですよ。競技指導者ではなく、専門家がちゃんとアスリートに指導する機会は必要。「生理は恥ずかしいことじゃない、痛いことも当たり前のことじゃないよ」っていうのがわかると安心しますよね。

中川 あとはコーチも共通認識を持たないとダメだと思います。

潮田 選手たちとコーチが一緒に講習を受けるっていうのもいい。女性アスリートを指導する監督やコーチは女性の身体について理解しないといけないところもあるし、情報のアップデートも必要だと思います。

中川 女性の身体はこういうものなんだって理解してくれてることが選手にとっては安心材料になるはずです。

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【Profile】
潮田玲子(しおた・れいこ)
1983年9月30日生まれ、福岡県出身。幼い頃からバドミントンを始め、中学3年時に全国中学生大会女子シングルス優勝。その後も数々のタイトルを獲得し、08年北京五輪では小椋久美子とペアを組んで女子ダブルスに出場しベスト8に進出した。その後、池田信太郎とペアを組み、12年のロンドン五輪にも出場。同年に引退を発表した。

中川真依(なかがわ・まい)
1987年4月7日生まれ、石川県出身。小学1年より飛び込みを始め、中学3年で世界ジュニア選手権に出場。高校1年からインターハイ、国体を2年連続で制覇し、高校2年から日本選手権で連覇を達成する。08年の北京五輪では決勝に進出し11位と健闘。12年のロンドン五輪にも出場し、16年に現役を引退した。

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