オリンピック決勝の日に生理。潮田玲子&中川真依が女性のコンディション作りの難しさを語る

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko/AFLO

潮田玲子さんと中川真依さんが生理への対処について語る潮田玲子さんと中川真依さんが生理への対処について語る
『特集:女性とスポーツ』第4回
潮田玲子×中川真依が語る女性アスリートが抱える問題(中編)

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 3月8日は国際女性デー。1975年に国連によって制定されたこの日は、女性たちによってもたらされた勇気と決断を称える日だ。スポルティーバでは女性アスリートの地位向上を目指し、さまざまなテーマで「女性とスポーツ」を考えていく。

 今回は元バドミントン日本代表の潮田玲子さんと、元高飛び込み日本代表の中川真依さんに、普段はあまり語られることのない女性アスリートが抱える問題について語ってもらった。インタビューの中編では、生理によるコンディションの変化への対処について話を伺った。

――現役時代に、トレーニングメニューはそのままで、痛みはピルを飲んで周期をずらす、薬で散らすというのを専門家から提示されていたらどうでしたか

中川真依(以下:中川) それは実際に経験がありました。玲子さんはピルを飲んでいましたか。

潮田玲子(以下:潮田) 飲みましたね。でもそれは20代中頃かな。10代はピルの存在自体を知らなかった。ナショナルチームに入って、ドクターに会う機会があって相談したんです。「ピルを飲んで世界選手権のときに生理が当たらないように調整することはできるよ」とアドバイスをもらいました。そんなに生理痛が重いほうではなかったんですけど、できれば大事な大会のときに生理は迎えたくないから、オリンピックのときは早めに対策をしました。

中川 私は、北京オリンピックで絶対に生理がこないという日程だったんですけど、来ちゃったんですよ。しかも決勝の日の朝に。私もほとんど生理痛とかなかったんですけど、その日は立てないくらい酷くて......。

潮田 オリンピックの決勝の日に! 最悪な気分じゃなかった?

中川 そう。緊張でホルモンバランスが崩れていたんだと思うんですけど、そのまま這いつくばってドクターのところに行きました。決勝が夜だったので、薬を飲んで、お腹を抱えて寝ていました。なんとか飛べる状況にはなったんですけど、またあの痛みが来たらどうしようっていう不安があって、怖くて薬が手放せなかった。

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