潮田玲子×中川真依、オリンピアンが語る生理のつらさ。「我慢の繰り返しだった」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

――中川さんは身体の変化を感じたのはいつ頃でしたか。

中川 私も中学の時ですね。もともと筋肉質だったので、コーチは「このまま太ったらまずいことになる」と思っていたようで、小学校のときから「太るな」と言われていました。だから先輩にどういう食事をしているか聞いたりしてたんですけど、生理がきて、成長の過程で体重が増えたりして、自分の体をコントロールするのが難しくなりましたし、気持ち的にも難しかったですね。コーチに言われることもすごくストレスだったし。「食べちゃダメだ」って思うことによって、食べたくなる悪循環に陥ってました。

――成長期でもありますから、食べたい気持ちは強いですよね。

中川 ケーキバイキングは憧れでした(笑) 。でも水着一枚で競技するので、食事制限をして体重をコントロールしないと体形の変化はすぐにわかっちゃうんです。もちろん自分も飛びづらくなるので、いろんなダイエットをしました。

 高校から20歳前後までは、肉付きがよくなってどんどん女性として身体が変わっていく感覚がありました。20歳前後になってようやくその身体に慣れた感じでした。

――同年代の選手たちとそういう話をしたことはありましたか。

潮田 「食欲が止まらないんだけど、どうしよう」とかかな(笑)。あとは生理痛がひどいとか、胸が張って走るのがツライとかですね。

中川 わかる~。揺れる胸が痛いんですよね。

潮田 それをチームメイトには言えるけど、コーチが男性だと言えない。怒られるんですよ。「なんで今日はできないんだ! 集中力が足りないんじゃないか」って。でもそれを「今日は生理だから」とは言えない。それは悩みとして絶対にありますよね。

中川 あと、自分のプライドもある。そのためにできないと言いたくない。飛び込みも生理前とか生理中って胸が張って入水するだけでも「痛い!」って感じる時があるんです。だからって飛び込まない訳にはいかない。あまり薬とか使いたくなかったので、ただひたすら耐えていました。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る