カーリングの「オタク」富士急・小穴桃里が語る、チームの素顔と魅力

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――観戦する際は、レベルやカテゴリーなども関係ないのでしょうか。

「そうですね。平昌五輪もミックスダブルスのチケットしか取れなかったのですが、現地に行って観戦しましたし、配信がある試合、今季だとジュニアの大会などをずっと見ていました。カナダ遠征に行っても、空いている時間があれば、ホールにあるカフェやバーで(他のチームの試合を)観戦しています。今年は試合が少ないから寂しいですね」

――スキップとしてはいかがでしょうか。自らの課題としていることはありますか。

「世界選手権に出た2018年辺りから、たくさんのコーチや関係者から『Patient』(忍耐強い、我慢強い)というアドバイスをもらっています。私は『これを決めなきゃ勝てない』とか『これくらい決めて当たり前だ』とか考えがちなんですけれど、『いつも完璧でいることはできないから、自分の考えている理想の展開ではない時は、その場をしのぐということも大切だよ』というような感じですね」

――完璧主義者なのでしょうか。

「競技だけです。普段は自分がそこそこ過ごせていれば、あんまりこだわりがないです」

――選手として、将来の展望やイメージがありましたら聞かせてください。

「カーリングって選手生命が長いスポーツなので、(競技者としてではない)自分の人生を進めるタイミングが難しいと思っているんです。例えばカナダでは、カーリングに対して家族やチームの理解も得やすいし、チーム数も多いので、1年休んでまた復帰するというケースは珍しくないです。

 それに比べると日本の場合は、チーム数も少ないので、そういったことは簡単ではないかもしれません。チーム数が少ないってことは、そこに用意されている席も限られているので、1年、2年のブランクが大きな影響を及ぼしてしまう。ただそれでも、自分の人生を進めながら、求めてくれるチームや場所がある限りは、カーリングを続けていきたいとは思っています」

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