カーリングの「オタク」富士急・小穴桃里が語る、チームの素顔と魅力 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――仲のいい姉妹ですよね。

「基本的にはそうですね。でも、よく試合中に『今の、ウォー(スイープするな)つったじゃんか』とか、ふたりでじゃれ合いながら肩パンしたりしているのでチェックしてみてください(笑)。

 あと、あのふたりはチームの会計係でもあるんです。子どもの頃からレシートを提出してお小遣いをもらう、というすばらしいシステムの家庭で育ったらしく、そういう意味でもすごく頼りになります。上のふたり(石垣真央と小穴桃里)が丼勘定なので(苦笑)」

――石垣選手はいつもニコニコしていて、淡々とプレーしている印象があります。

「そのとおりで、真央さんはいつも『いいよ、いいよ。大丈夫』って、みんなに声をかけてくれていますね。時々『今のどこが大丈夫だったんだ!?』と思うこともなくはないんですけれど、常に前向きな言葉をかけてくれて、私がイライラしそうな時にはフォロー役になってくれたりして、だいぶ助けられています」

――それぞれ個性的な4人だと思うのですが、うまくバランスの取れたチームになっているような気がします。

「チームが結成されて10年。結果が出るまでには時間がかかりました。『経験が大事だから仕方ない』と、ひと言で片付けてしまうのは簡単なんですけれど、どうして勝てないのか、勝つためにはどんな経験が必要なのか、いろいろと考えながら、本当に一歩ずつですが、着々と進んできた実感はあります。

 今の4人、特に私と小谷姉妹は実績があってチームに加入したわけじゃないけれど、(チームとして)育成・強化をしてもらうなかで成長してきたように思います。そうやって、チームとしてだんだん大きくなっていく様子を肌で感じられるのは楽しいですね」

――小穴選手ご自身のキャラクター、カーラーとしての特徴などについてはどう分析されていますか?

「う~ん、私は少なくとも自分でカーリングの才能があるとか、選手として優秀だとか思ったことは一度もありません。でも、カーリングはずっと見ていられるし、見ていたいんです。"(カーリング)オタク"です(笑)。それだけは唯一、恵まれたなと思います」

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