カーリング日本選手権の注目4チーム。北京五輪代表に近づくのは? (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro

 大会後、スキップの藤澤五月は「勝ち切れた、というところでは自信を持っていい」と語り、サードの吉田知那美も「結果はすごくうれしい」と笑顔を見せた。

 ただ一方で、藤澤が「課題はありましたし、完璧ではなかった」と言えば、吉田知も「この大会で収穫した情報であったり、課題であったりを、いかに全日本選手権につなげていくか、ということのほうが大事だと思っている。他のチームもしっかりと対策を取ってくると思うので、油断することなく、私たちも(日本選手権までに)成長できるように準備していきたい」と、勝って兜の緒を締めた。

 女王としての慢心はなく、さらなるレベルアップを図ってきたロコ・ソラーレ。理想的な状態で本番を迎えることができそうだ。

 北海道銀行も頂点を狙えるだけの力はある。軽井沢の大会ではロコ・ソラーレを相手に、船山弓枝→近江谷杏菜→小野寺佳歩というお馴染みのラインで好ショットがつながり、多くのエンドで好形を作っていた。

「やりたいことはやれている。あとは、私がしっかり決め切れれば、点数が取れると思います」と、スキップの吉村紗也香の表情からは確かな手応えが感じられた。

 爆発力という意味では計り知れない。ラウンドロビン(総当たりの予選)6試合という今年のような中期決戦では、早い段階でアイスの状態がつかめれば、6年ぶりの戴冠も見えてくるはずだ。

 その北海道銀行と初戦で対戦する富士急も他チームにとって怖い存在だ。「伸び率という意味では圧倒的に富士急」と断言する関係者もいるほど、近年で急成長を見せたチームであり、上位を食らう力は十分に備わっている。

 試合数が少ない今季は、リードバイスの小谷有理沙がジュニアの大会に、セカンドの石垣真央、サードの小谷優奈、スキップの小穴桃里の3選手はミックスダブルスに挑戦。それぞれが個の力を伸ばす強化も図ってきた。その力が氷上でうまくかみ合えば、台風の目となる可能性は大いにある。

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