連日PCR検査。世界選手権期間中も全員陰性の彗星ジャパンが得た手応え

  • 田口有史●取材・文 text by Taguchi Yukihito
  • photo by Taguchi Yukihito/JHA(日本ハンドボール協会)

 昨年のアジア選手権では28対36で敗れているアジア王者カタールに対しては、前半を1点のリードで折り返す。後半の出だしで相手ゴールキーパーの好セーブもあって逆転を許し、一時は4点差をつけられるも、そこから一度は再逆転に成功。最終的には29対31で敗れてしまったが、力強さを見せた。

 予選ラウンド最後のアンゴラ戦は一進一退。残り5分でアンゴラにリードを許すも、残り2分で再逆転。30対29で勝利して、世界選手権24年ぶり2度目のメインラウンド進出を果たした。

 予選を終え、日本を含めたアレクサンドリアで試合をしていたグループは中1日の休息日。バスで約3時間半かけてカイロへ戻った。すでに5日間で3試合。精神的にも肉体的にも疲労が増している中、新たなバブルへ移動して順応しなければならない厳しい日程となっていた。

 カイロで宿泊するのは、入国時のカイロ郊外のホテルとも、アレクサンドリアのリゾートタイプのホテルとも違って高層の大型ホテル。それまではエレベーターを使わないなど、チーム独自に感染対策をしていたものの、ここではPCR検査会場が12階にあったためエレベーターを使わずに生活することは難しかった。また、参加32チーム中16チームが集結した状態で、1チーム1部屋の食事会場を用意されることはなく、引き続きクロアチアと時間をずらして食事をした。また、ホテルのジムはひとつの国が利用した後に消毒作業する流れを繰り返すため、非現実的な時間を割り当てられるなど、実質的に利用できる日はほとんどなく、周辺に広い敷地もないので、ランニングなどで身体を動かすことも不可能となった。

 迎えたメインラウンドの第1戦。相手は中南米チャンピオンで2017年EHF(欧州ハンドボール連盟)チャンピオンズリーグMVPのディエゴ・シモネを有するアルゼンチン。決勝トーナメント進出のために負けられない試合だったが、要所でミスが重なり24対28で敗れた。

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