2021.01.14

錣山親方が占う一月場所。貴景勝の逆襲、照ノ富士の大関復活はあるか?

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 一方、大関復帰を目指している関脇・照ノ富士は初日、琴勝峰と対戦して押し倒しで白星を飾りました。相手は勢いのある若手で、どういう相撲を取ってくるかわからないゆえ、普通は"迷い"が出るものですが、稽古十分という自信があったのでしょう。迷わずに前に出ていって、それが功を奏しました。4日目が終わって2勝2敗ですが、これから巻き返していくでしょう。

 元大関の照ノ富士。ヒザの負傷や内臓疾患などの影響で、一時は序二段まで番付を下げました。その際は、「引退させてください」と師匠(伊勢ヶ濱親方=元横綱・旭富士)に申し出たそうですね。

 それでも、師匠に説得されて、現役を続行。そこから不屈の精神で這い上がってきた力士です。こういう"地獄を見た力士"というのは、"ここぞ"という場面で力を発揮します。昨年七月場所での幕尻優勝において、それが見て取れましたよね。

 そもそも照ノ富士は、相手と胸が合えば強い。ヒザの大ケガによって、押し込まれたら残れないという欠点がありますが、先場所でも貴景勝と優勝争いを演じて、優勝決定戦まで駒を進めました。前に出る相撲を取り続けることができれば今場所、3回目の優勝もあり得るでしょう。個人的には、優勝候補筆頭だと思っています。

 照ノ富士に続く候補としては、大関・正代を挙げたいですね。新大関となった先場所は足首の負傷で途中休場となってしまいましたが、今場所ではケガの影響を感じさせない相撲を見せています。

 その他、相撲の勢いが復活した感のある実力者、御嶽海も面白い存在。また、先に「黄信号......」とは言ったものの、貴景勝にも彼らに食らいついて、場所を盛り上げていってほしいです。

 ところで、照ノ富士と初日に対戦した琴勝峰ですが、これまでも何度か名前を挙げてきた「期待の若手」のひとりです。今場所は前頭3枚目。上位陣と総当たりする地位なので、どの程度通用するのか、楽しみです。