本橋麻里がメンバーの前で涙。「真剣に悩んでいる様子を見てたから」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 でも、日本選手権からアイスアリーナで試合をすることができれば、観客の数であったり、変化の起こりやすいアリーナの氷でのゲームだったり、世界選手権に近い感覚を早くから体感することができます。要するに、日本選手権がそのまま世界へ直結する大会になるのが理想です」

――そうなると、日本選手権が本当の意味での"世界選手権の予選"になるわけですね。

「はい。世界での戦いにいい影響を与えてくれると思っています。そういう意味では、昨年の日本選手権(軽井沢)ではアイスメーカーのハンス・ウーリッヒ氏がカナダから来てくれて、アイスを作ってくれたことも、貴重なことでした。同時に、新品なストーンとアイスをマッチさせるという、難しい仕事もこなしてくれました。そういう一流のアイスメーカーが手掛けた世界基準のアイスで日本選手権ができたことは、大きな収穫だったと思います」

――その日本選手権では試合のスケジュールも変わりました。

「2019年の日本選手権までは一日4試合だったのですが、2020年からは全体のスケジュールに余裕を持たせて、一日3試合という世界選手権と同じ進行で行なわれました。これによって、ラウンドロビン(総当たり予選)では休息日ができることになりました。実はカーリングという競技においては、この日が意外とターニングポイントになったりするんです。

 序盤で調子が上がらなかったチームが休息日でリフレッシュして、そこから連勝し出したり、逆に連勝していたチームが休息日にアイスを離れることで読みが鈍くなって、調子を落したり、ということがよく起こります。アイス外も含めて、いかに過ごすか。アイス内外での調整力が問われるようになったことも、"世界仕様"に役立つのではないかと期待しています」

――その日本選手権において、ロコ・ソラーレが4年ぶりの優勝を果たしました。最後の藤澤五月選手のショットが決まったあと、全身で喜びを表現する4選手の姿が印象的でした。やはり前年の大会で中部電力に敗れた悔しさがあったのでしょうか。

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