内村航平が「魔物」を倒したロンドン五輪。最後にやっと納得の演技 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

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 1番手の田中和仁は右手が外れて演技を中断すると、3番手の内村も離れ技のコールマンで落下。さらに4番目の田中佑典も離れ技でバーをつかめず落下してしまい、得点は15.000点の内村が最高で、ほかの3人は14点台前半という悪い流れに。さらに3種目目のあん馬でも、田中和仁が2度落下し、内村も旋回で落下して着地でもミスと、負の連鎖がつづいた。

 その結果、団体は5位での通過。予選の個人成績で決まる個人総合も、内村の通過順位は9位で、上位8人が出場できる種目別決勝進出も、平行棒の田中兄弟とゆかの内村のみという思わぬ結果になった。

 公式練習の鉄棒でも落下していた内村は、予選終了後にこんなことを話していた。

「(公式練習の時は)『自分が4年間積み上げてきて五輪のために仕上げてきたものを見せてやろう』という気持ちを抑えられなかったんです。予選も調子はすごくよかったけれども、よすぎたのもミスの原因だったのかなと思います。それをコントロールできなかった部分があり、いちばん動ける状態に持っていくのが難しくなってしまいました」

 さらに、日本は団体決勝もアクシデントに見舞われた。

 いつものように上位通過ではなく5位通過のため、ゆかではなくつり輪からのスタートで、3人とも15点台の安定した滑り出し。次の跳馬も、加藤凌平が16.041点で内村は15.900点と波に乗ったかに見えたが、3人目の山室光史がミスで前のめりに潰れる着地になり、左足甲を骨折して演技ができなくなったのだ。

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