東京五輪、金メダル最有力の女子選手が
「家トレ」で太もも大幅アップ

  • 会津泰成●文 text by Aizu Yasunari

「練習パートナーでもあり、マネージャーでもあり、何より心の支え。毎日一緒に過ごしているので、些細な変化にも気づいてくれて声をかけてくれる」と、梶原は有里さんに全幅の信頼を寄せる。そんな有里さんとの、子供の頃のエピソードを紹介してくれた。
 
優勝後、母親の有里さんと笑顔で撮影する梶原選手 photo by Yuzuru Sunada/AFLO優勝後、母親の有里さんと笑顔で撮影する梶原選手 photo by Yuzuru Sunada/AFLO「毎年、お正月にお年玉をもらう前に『1年の目標を発表する』という習慣がありました。小さい頃から『目標は何?』と問いかけられて、自分で目標設定をして口に出す、という習慣がありました。父からは、昔は『ビックマウスだな』みたいに言われていましたが(笑)。でも、ひとつひとつ有言実行していくうちに認めてくれるようになりました。

 思いはしっかり言葉にして声に出して宣言することで、その宣言に責任を持って、それを裏づけるための努力を積み重ね、有言実行できるようになってきたと思います」

 3月下旬に来日予定だった、米国在住の日本代表チームのクレイグ・グリフィン・トラック中距離ヘッドコーチも来日できなくなり、伊豆ベロドロームや付帯するトレーニング施設も使用禁止になった。

 モチベーションが下がり、心が折れてもおかしくない状況にあるが、それでもブレずに短期間で目標を切り替えられた理由は、子供の頃から目標設定を明確にし、有言実行してきたこと。そして、自分自身で答えを見つけ出す習慣が身についているからこそ、苦しい環境にも素早く適応し、前を向くことができたのかもしれない。

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