なぜバド日本女子ダブルスは強いのか。
オグシオからフクヒロ、次世代へ

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • photo by AFLO

 一方、リオデジャネイロ五輪の金メダリストである高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)の「タカマツ」ペアは、五輪レース3番手から大逆転の可能性を膨らませる優勝に届かず、厳しい状況に追い込まれた。

 全英オープンでは、2つの日本勢対決が実現。両試合でそれぞれの道を歩んできた4組が激突した。

 まず、象徴的な試合となったのが、準決勝だ。日本のエースである福島/廣田と対峙したのは、準々決勝で世界ランク1位の中国ペアを破った高橋/松友。互いに積極的に攻撃の主導権を奪いにいく展開の中、福島/廣田が低い球出しと廣田の前に出るプレーで得点を重ねる中、高橋/松友はレシーブでミスが生じて押し切られた。

 高橋は「相手は、今まで対戦してきた中で、いちばん気持ちが入っていて、今までよりいいプレーを出してきたと思いますし、うまく対応できませんでした」と完敗を認めた。最新の世界ランク(3月17日更新)で7位と上位にいるが、ほかの日本勢が世界ランク2位(福島/廣田)、3位(永原和可那/松本麻佑)にいる状況だ。

 リオ五輪後、モチベーションの低下、レースの試合増加とそれに伴うコンディション維持など、難しい状況にさらされて苦しみながら歩んでいるが、ふたりが東京を目指すと決断したことで、後進が彼女たちを超えることを目標とし、日本勢の競争力はぐんと引き上げられた。

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