桃田賢斗、現状は3割程度の動き。逆境からの金メダル獲得なるか (4ページ目)

  • 平野貴也●文 text by Hirano Takaya
  • photo by AFLO

 バドミントンの東京五輪出場権は、直近1年間の成績が反映される4月28日発表の世界ランキングで決まる。桃田は昨季、ハイペースで勝利を重ね、レジェンド(伝説)と呼ばれるスター選手も成し得なかった主要国際大会11勝という快挙を果たし、ランキングポイントを大きく積み上げた。

 結果的に、この貯金は非常に価値のあるものになった。桃田は交通事故により、五輪レース終盤戦に出場できなくなったが、それでもなお、他選手が追いつくのは難しく、出場権の確保は確定的だ。ほとんどの大会を休まず、勝ち続けて体力の限界に挑んだ昨季の努力が自身を救う形になった。復帰を急がず、五輪を見据えて活動できることは、現状から五輪の金メダルを目指すうえで、もっとも明るい材料だ。

 問題は、やはり五輪に向けて強度の高い練習を積み上げて体力を築き、試合を積み重ねて試合勘を取り戻せるかという点になる。とくに試合数に関しては、不安材料が多い。まず、新型コロナウイルスまん延の影響により、各大会が開催中止や延期になるなど、大会の開催可否が不透明な部分がある。

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