スポーツクライミング・スピードはパリ五輪で単種目に。日本勢は期待大 (2ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO


 そのマルチン・スキップに公式戦で初トライした日本記録保持者は、ファイナルでミスが響いて2位。昨年に続いてタイトル奪取は果たせなかったものの、競技後の表情は明るいものだった。

「左足をスメア(※)して右足を上げる時でも、安定してできていた。もっと気候が暖かくなれば、日本新記録や5秒台も出していきたいですね」

※スメア=壁に足裏を押しつけてフリクションを得る技。

 マルチン・スキップは足をクロスさせてホールドを踏む動きがポイントになるなか、楢崎は今大会の出場選手で最速の6秒42をマーク。自己記録であり日本記録でもある6秒159には及ばなかったものの、新たなムーブの精度にも手応えを得たことで、力強く先を見据えていた。

 この大会で3位になった17歳の竹田創(はじめ)も、意欲的にスピード種目に取り組む選手のひとりだ。

 昨年の同大会は19位と決勝トーナメントに進めなかったが、そこからフィジカルを重点的に強化。昨年5月11日の東京選手権スピードで6秒828をマークすると、翌日の海外の有力選手を招待したスピード種目のイベントで6秒459をマークして2位。8月の世界ユース選手権スピードでも8位の好成績を残した。

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