松村千秋が語る中部電力カーリング部「私の話をもう少し聞いてほしい」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――北澤選手はご自身でも、「プレッシャーはあまり感じない」と明言しています。

「言っていますね(笑)。その辺りが理由なのか、『彼女は何も考えていないだけだ』とする説が根強くある一方で、彼女を『天才』と褒めてくれる人もたくさんいます。そうした評価はともかく、私たちは、彼女が決めてくれれば何でもいいので、彼女を信じていい形でつなぐだけ。それが、いい結果につながっているのかもしれません」

――スキップ、あるいはフォースは、カーリングでは花形のポジションです。松村選手は、それに対するこだわりはなかったのですか。

「一切、ないです。というか、私は最後に投げるの、向いていないです。余計な心配をしたり、考えすぎちゃったりするので」

――チームに「変化」という意味では、現在の布陣になってまもなく、SC軽井沢クラブで平昌五輪に出場した両角友佑選手(現・TM軽井沢)がコーチに就任しました。

「もともと、べぇちゃんも、星ちゃんも教えてもらっていたし、スムーズにチームに入ってくれました。実際にコーチとして接してみると、ちょっと失礼なんですけど、思っていたよりも、はるかにちゃんとしていましたね(笑)。(普段はフワッとした感じの)あのキャラですから、もっと適当な人だと思っていたんです。石やラインをすごくしっかり見てくれるだけでなく、選手個々の投げに関しても、(投球動作の時に)石を引く位置、軸足を出すタイミング、肩の入れ方とか、すごく細かいことにも気づいてくれ、(正確に投げられるように)指摘してくれます」

――戦術的な部分はどうですか。

「やっぱり最新のカーリングを知っている現役選手ですから、作戦で迷った時に『いいんじゃない』って言ってくれるだけで心強いですね。その一方で、『こっちのラインもある』とか、『決まると思うなら、向こうから攻めるのもアリかもね』とか、選択肢を増やしてくれるのは、面白いです。チームの引き出しは増えたと思います」

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