2020.02.11

楢崎智亜と野口啓代、好成績も表情に明暗。
新たな弱点も見つかった

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 一方、緩傾斜ではそうしたホールドのない課題が出されることがある。足だけで重心移動をしながら登る課題に、野口は苦しめられることが多かった。この冬はその課題克服に重点を置いてトレーングを積んできた。

「少しはよくなっていると思う」と大会前は手応えを口にしていたものの、今大会の決勝で勝敗を分けたスラブ壁(※)につくられた第3課題は、足だけでの重心移動が求められるもの。この課題でゾーン獲得にも達せず、弱点克服に取り組んだ成果を発揮できなかったことも、悔しさを増幅させたのかもしれない。

※スラブ壁=角度が90度以下で奥に寝ている壁。

 それでも今大会は、東京五輪に向けての収穫もしっかり手にしている。これまでなら大会直前は、コンディショニングや指皮回復のために練習量を減らしていたが、今大会には普段とおりの練習量のまま臨んだ。新たに試した調整方法に、一定の成果を得た。

「大会が始まる前から指の皮が心配だったんですが、決勝戦が終わるまで指皮がなくなったり、痛くなったりしなかった。この調整方法をあと何大会かで試しながら、東京五輪では自分に一番フィットする方法を選びたいなと思います」