2022年北京五輪への第一歩。カーリング日本選手権を制すのはどこだ (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 フォースの北澤育恵の技術や決定力は、他の3チームと比べても遜色ないどころか、シチュエーションによっては、むしろアドバンテージがある。昨年の世界選手権でも高い決定力を示した北澤と、藤澤、吉村、小穴ら世界トップクラスで結果を残したフィニッシャーとのハイレベルな投げ合いを、多くのファンが期待しているだろう。

 連覇にはまず、その戦いにチームとして参戦することから始まる。リードの石郷岡葉純、セカンドの中嶋星奈のフロントエンドが、他チームと互角以上のセットアップを組み立て、北澤のストロングポイントを引き出したいところだ。

 また、JCA(日本カーリング協会)は今大会、2010年バンクーバー五輪をはじめ、2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪でもアイスメーカーとして、世界レベルのシートを製氷したスイス系のカナダ人、ハンス・ウーリッヒ氏をチーフアイスメーカーとして招聘。どちらかと言えば、ストレート気味の特徴を持つ軽井沢のアイスだったが、世界での戦いを意識した、よく曲がるアイスへと切り替わった。そのアイスに、どこが素早く対応していくのか、それも勝負の分かれ目となりそうだ。

 はたして、ロコ・ソラーレがカーリング界の"主役"の座を奪還するのか。北海道銀行や富士急が新時代を築くのか。はたまた、中部電力が連覇を遂げて、女王として君臨し続けるのか。

 いずれにしても、頂点に立ったチームが北京五輪へ向けて、大きな一歩を踏み出すことになる。世界レベルのアイスで、質の高いゲームが見られることは間違いない。予選から決勝まで白熱の8日間の戦いを、存分に堪能したい。

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