石郷岡葉純がチーム中部電力を語る。「うちは攻めたがりが多い」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――中部電力入りし、ジュニア時代にライバルだった北澤選手、中嶋星奈選手(スキップ)と一緒にプレーすることになります。そういえば以前、石郷岡選手は、北澤選手について「同い年で、一番うまい選手」とコメントしていましたね。

「それもそうですけど、先ほど話に出た2014年の高校選手権の決勝で、星ちゃん(中嶋)とべぇちゃんのチームと対戦した時、(ふたりの関係が)すごく羨ましかったんです。星ちゃんはサードだったんですけど、そこでミスが出ても、ひとつ年上のべぇちゃんが『しょうがねぇな、決めてやるよ』みたいな感じで、好ショットを連発して。そのカバーしている姿が印象的でした。また、(ふたりの)試合の雰囲気の作り方、ショットのつながり方も羨ましかった。一緒にやったら『楽しいだろうな』と、思っていましたね」

――実際にふたりと同じにチームなってみて、いかがでしたか。新たに発見したことなどはありましたか。

「意外だったのは、べぇちゃん。彼女は天才肌だと思っていたのですが、すごくカーリングのことを考えているんですよね。作戦とか、石の当たる角度とか、細かいところまで、いろいろな視点で見ている。とくに最近は、自分で『やり切る』『決める』という覚悟を持って、プレーしているように思います」

――「覚悟」ですか。

「彼女も、もちろんミスはあるのですが、それは、決してプレッシャーに負けて出る類いのものではないんですよ。試合後に、『あ~、あれが決まっていれば~』と軽く嘆くことはあっても、それを引きずったりはしない。昨年の日本選手権のプレーオフだったかな、序盤のエンドでスルー(どの石にも当たらず、プレーゾーンを通過する石を投げること)しちゃったんですけど、2投目でしっかり取り返して、何事もなかったように、そのゲームはキーショットを決め続けた。不安そうな時はほとんどないし、『決めてやる』という空気がすごく伝わってきます。スイーパーとしては、サポートし甲斐があるというか、頼もしいですね」

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