石郷岡葉純がチーム中部電力を語る。「うちは攻めたがりが多い」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――そこで、藤澤選手が石郷岡選手を発掘したのでしょうか。

「どうなんですかねぇ? でも、(私の)スイープをとくに注目していたようで、『あの子はガッツがありそう』と言ってくれた、という話はあとで聞きました」

――藤澤選手は、今はライバルチームに在籍していますが、会えば、お話しすることはあるのでしょうか。

「しますよ。よく覚えているのは、平昌五輪直前の、2017年軽井沢国際の時です。アフターパーティーで、『オリンピック、がんばってくださいね』『葉純たちのおかげで、強くなれたよ。ありがとう』みたいなやり取りを、肩を組みながらできたのは、楽しかったですね」

――高校当時の話に戻しますが、その時にその先の、世界や五輪での戦いなどをイメージしていましたか。

「正直、していませんでした。それよりも、高校選手権で勝つと、"オプティミスト"と呼ばれるカナダで開催されるU-18世界選手権に参加できたので、当時は『それに出たい』『カナダに行きたい』という気持ちが強かったですね。それが、一番のモチベーションでした」

――高校卒業後、軽井沢に行って、中部電力に入社。迷いはありませんでしたか。県下一の名門と言われる青森高校出身となれば、進路についての選択肢は多かったと思うのですが。

「カーリングを続けながら進学というか、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の観光科に留学するというプランも、私の中にはあったんです。でも、中部電力に声をかけていただいて話を聞いているうちに、企業の理解とサポートを得ながら、好きなカーリングに向き合えて、社会経験も積めるというのは、どう考えても恵まれた環境ですし、自分にとっては、決してマイナスにはならない。そう思うようになりました。

 両親も『(カーリングを)やるなら、がんばりなさい』と応援してくれましたし、それに私は、人と同じことはあまりしたくないんです。(中部電力に入ったのは)オリジナリティを大切にしたい、という理由もありました」

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