中部電力・石郷岡葉純の人生に満足ナシ「投げがもっとうまくなりたい」 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――中部電力に入って、5シーズン目。リードとして、自らの理想に近づいている感触はありますか。

「どうなんでしょう......。身体は少しずつできてきたかなとは思いますが、何より"投げ"が、もっとうまくなりたいです。私、人生で一度も満足したことがないんですよ。水泳も、書道も、ギターも、勉強も......『私、努力したな』『よくやったな』と、自分で思ったことがない。

 でも、逆に言えば、満足できないってことは、限界までやっていなかったんだなとも思うんです。『もう少しがんばれたはずなのに』『なんで自分はこんなに出来が悪いんだ』と、常々自分を責めるような性格なんです。どちらかと言えば、ネガティブです」

――それでも、日本選手権の全試合で100%のショット率を叩き出すとか、五輪で金メダルを獲得したら、満足できるのではないでしょうか。

「たとえショットが100%でも、スイープで貢献できていたか、ジャッジやコールは正しかったか、と考え始めると思います。(五輪で)金メダルを獲ったら、『ひょっとして満足できるのかな』という期待に近い気持ちはあります」

――そのためにも、まずは今回の日本選手権が大切になります。目標を教えてください。

「優勝です。軽井沢はホームリンクですので、リードから先手を打つように、いい流れをしっかり作りたいです。そして、優勝して、世界選手権で再び世界のトップチームと対戦したい。昨年の世界選手権は、ロコ・ソラーレさんが出場権を獲ってきてくれました。今回は、PACC(※4)で準優勝して、自分たちで獲得した世界選手権の出場枠なので、自分たちでその枠を使いたいです」
※4=パシフィック・アジア選手権。2019年11月に中国・深圳で開催され、日本代表として出場した中部電力が準優勝。その結果、3月にカナダ・プリンスジョージで行なわれる世界選手権の出場枠を獲得した。同大会には、今回の日本選手権優勝チームが出場予定。

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