小林陵侑の活躍で男子ジャンプはレベルUP。W杯札幌大会で成果を見た (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

「帰国してからリラックスできていたので、ジャンプも全体的にクリアなイメージで臨めたし、1本目も2本目もそんなに悪くないジャンプができたと思います。でも2本目は空中に出た瞬間にエアーポケットに入ったように風圧を何も感じなかったので。本当に大倉山は難しいと感じました」(小林)

 日本チームの宮平秀治ヘッドコーチも厳しい風だったと語る。

「ゲートに入った時は追い風が吹いていて、モニターでもコントロールの最低限を超える赤い表示になっていました。そのあと一瞬だけよくなってシグナルが青になったけど、出すには厳しい状況だったので5~7秒待ったのですが、改善の見込みがなかったという状況ですね。上の方は斜め横の向かい風だったけど、下は観客席からの横風で......。このジャンプ台はそういう風が吹くとよくないので110mに落ちたのかなと思います」

 そんな不運な小林とは対照的に幸運に恵まれて、2012年の伊東大貴以来、札幌大会で日本人優勝を果たしたのは佐藤幸椰(ゆきや/雪印メグミルク)だった。今季は第3戦目でW杯初優勝を果たしながらも、年が明けてからは少し苦しんでいた。

 この日の1本目は2.05mの向かい風をもらって137.5mを飛んで6位につけると、2本目も1.40mのいい向かい風をもらって138.5mを飛び、逆転で優勝をさらったのだ。

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