チケットなしで見る東京五輪。自転車ロード生観戦をチェックしてみた (5ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 須賀 和●撮影 photo by Suga Yamato


 こんなことをして、初めてレースを見に来た人たちが自転車競技を嫌いになってしまうよりも、たくさんの人たちにSNSなどに投稿してもらったほうが、ファン層の拡大や競技の普及にもなるんじゃないのか......。そう思っている間にも、大國魂神社を通り抜けた自転車の大集団は、アクチュアルスタートとなる多摩川をまたぐ是政橋に向かって行く。

 このアクチュアルスタートは、パレードランから、ガチなレースに切り替わるポイントということになる。まさに、ここから選手たちの本気度が増していき、選手によっては"逃げ"を仕掛けたりするなど、レース自体に動きが出てくる地点になるのだ。

是政橋にさしかかるアクチュアルスタート直前の先導車と選手たち是政橋にさしかかるアクチュアルスタート直前の先導車と選手たち
「来たー!」「頑張れー!」「飛ばせー!」

 府中市側の是政橋のたもとに集まる地元の人たちの声援を受けた選手たちは、是政橋の真ん中に設定されている『km0』と書かれたアクチュアルスタートを示すパネルを過ぎるのと同時に、ペダルを踏む脚に力を加え、大集団のまま是政橋を渡り終え、稲城市側へと消えて行った。
 
 謎の"撮影禁止"はあったものの、スタートからパレードラン、そしてアクチュアルスタートまで都内でのフリー観戦は比較的スムーズに楽しむことができた。もちろん、オリンピック本番となれば観戦者の数も激増するだろうが、さいわいコースは長いので、まったく見られないということはなさそうだ。
 
 ただし、リアルな戦いが繰り広げられるのはここから。レース中盤から後半のフリー観戦については後編で検証したい。

(後編につづく)  ※門脇そら●取材協力 cooperation by Kadowaki Sora

橋中央のこのパネルから選手たちのガチバトルがスタート橋中央のこのパネルから選手たちのガチバトルがスタート

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