チケットなしで見る東京五輪。自転車ロード生観戦をチェックしてみた (2ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 須賀 和●撮影 photo by Suga Yamato


「一般的に、獲得標高(レースでコースを登ったり下ったりしていく中、登った分の標高だけをプラスして合計したもの)が4000メートルを超えると、レースはクライマー向きの本当にきついコースになるんです。その獲得標高が5000メートルに近い4865メートルにもなる東京オリンピック本番のコースは、ものすごく完走者が少なくなるレースになりますね」

 そうなった背景には、せっかく東京でオリンピックをするなら、富士山が見える厳しいコースを設定してほしいというUCI(世界自転車競技連合)からの強いリクエストがあった。世界の自転車競技を統括するUCIとしては、オリンピックのロードを"強い選手だけが勝ち抜いていくレース"と位置づけることで、自転車競技自体のバリューを高めていきたいという考えがあり、前回のリオ大会と同様、今年の東京オリンピックもタフなレースを望んでいるのだ。

都内から富士山へと走り抜ける豪快なコース図都内から富士山へと走り抜ける豪快なコース図
 そんなハードなレースを生観戦する場合、どこで見るのがいいのか。オリンピック本番では、ゴール地点の富士スピードウェイに入場するにはチケットが必要だが、それ以外でチケットは必要ない。今回のこのコースには、多くの見どころポイントがあると栗村氏は言う。

「東京近郊の人たちにオススメなのが、スタート地点の武蔵野の森公園になると思います。セレモニーもあるはずですし、スタート前の選手たちや会場の雰囲気もわかるので、一度、ここでオリンピックを生で見たという事実をつくったあと、レース全体はテレビで観戦するのもいいのではないでしょうか。オリンピック本番のレースはそこから200km以上、5時間ぐらいかかりますから」

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