福島由紀&廣田彩花が詳細に語る。
日本のライバルと金メダルへの課題

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • 松岡健三郎●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo

――4月末までレースが続いていく中で話しにくいかもしれませんが、日本勢で同国からの出場最大2枠を争う状況は、日本にとって誇らしいことでもあり、悩ましいところでもあります。共に世界の頂点を目指す仲間であり、ライバルでもある2組――先輩である高橋礼華/松友美佐紀ペア(日本ユニシス)、後輩である永原和可那/松本麻佑ペア(北都銀行)は、2人にとって、どんな存在ですか?

福島「日本の女子ダブルスは、昔から強かったと思いますけど、『タカマツ』(高橋/松友)さんが16年のリオ五輪で金メダルを取ったから、今の周りのレベルアップがあると思っています。『オグシオ』(小椋久美子/潮田玲子)さんたちから『フジカキ』(藤井瑞希/垣岩令佳)と来て、継いできているすごいペア。永原/松本は、年下のペアというよりも、急成長しているペアという印象のほうが強いです。スキルも気持ちもあって、パワーもある。トータル的にしっかりしているペアですね」

廣田「永原/松本ペアは、私たちが(A代表に入ったばかりの17、18年頃に)先輩たちに向かっていった時期の姿と重なるというか、あの時の自分たちと似た気持ちで今やっているんじゃないかなと思います。『タカマツ』先輩は、やっぱり五輪の金メダリストですし、いろいろな経験を試合の中で生かせているペアなんじゃないかと思います」

 金メダルを自分たちにとってリアルな目標にしてくれたのが、高橋/松友だ。そして、次は自分たちの番だと思っていたところへ、永原/松本が下から急に突き上げてきた。世界選手権の決勝で2度敗れた相手でもあり、福島/廣田にとっては、唯一と言っていい苦手な相手となっている。かつてないし烈なレースが終わるまで、五輪本番のことはなかなかイメージできないのが本音だろう。それでも、最後に五輪に向けた気持ちを聞いた。

――最後に、残りのレース、東京五輪本番に向けての意気込みを聞かせて下さい。

福島「2020年は、まずレースを乗り切って出場権を獲得すること。目標である五輪では、金メダルを目標にしていますが、そこでも一戦一戦の気持ちは忘れないようにしたいです。正直、五輪に出場できたとして、その場でどういうプレーができるんだろうという気持ちもあるので、そこを楽しみながら、見てくださるたくさんの方に、恩返しできるプレーをできるように頑張りたいです」

廣田「2人での大きな目標は、東京五輪での金メダルです。2人でケガなく乗り切って出場権を獲得して、その舞台に立てたらうれしいですし、2人で楽しんでやっていけたらいいなと思います。五輪で金メダルを取ったら自信を持てるかですか? うーん......、そうですね(笑)」

(おわり)

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