高梨沙羅が地元で表彰台を逃すも、今季を「すごく幸せ」と楽しんでいる (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤巻剛●写真 photo by Fujimaki Goh

「2本ともいいジャンプができたと思うし、踏み切りも昨日ほど迷いがなくて自分のやるべきことができたと思います。ただ、今季使っているスキーは追い風や風のない時はまだいい感じはするんですが、向かい風の時はうまく操れなくて浮力をうまく捕まえて跳んでいくことができていないと思うので。その辺のスキーの使い方をもっとうまくしなければいけないという課題が出てきました」

 今季は開幕からの2戦は女王・ルンビが連勝したが、札幌の2大会を含めた3戦ではオーストリア勢の3人がそれぞれ1勝ずつする混戦。ドイツ勢は少し不調だが、表彰台にのったのは8人という状況だ。

「女子ジャンプのレベルが上がるというのは自分でも臨んでいたことだし、誰が勝ってもおかしくないという状況は、男子ジャンプにどんどん近づいていっていると実感しています。そういう中で戦えているということがすごく幸せだと思うし、その争いに食い込んでいくためには、何をしなければいけないかというのを考える時間も楽しみというか、生きがいのようにも感じます。自分にもまだ伸びしろがあると信じでやっていくしかないので、そのためにトレーニングも積んでいきたい」

 札幌の2戦を終えてW杯の総合順位を4位に上げた高梨は、ライバルたちとの戦いの中での自身の成長を楽しんでいる。

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