三谷紬アナが入社2年目でまさかの目標達成「母に電話して号泣しました」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi


―― 初めてこの番組を担当するとわかった時の心境はいかがでしたか。

三谷 私はテレビ朝日に入社したかった理由が、"サッカーの番組が充実しているから"というのがあったんです。テレビ朝日のアナウンサーとして、入社した当時の目標のひとつが、『やべっちF.C.』に関わることだったので、まさか入社2年目でこんなに早く自分が担当できることになったのは本当にビックリでした。

 すぐにはなかなか教えてもらえなかったんですけど、いろんな話を聞いた最後に(上司の方から番組のことを)言われて。その時はすぐには信じられず、「あ、分かりました。頑張ります」って、半泣きな感じで返事をしたんですけど、家に帰ってから母に電話して号泣しました。

―― うれしさの反面、プレッシャーはありましたか。

三谷 その時はワクワクしかなくて。私は(入社前から)自分でもJリーグの試合を見に行くぐらい好きだったので、取材で毎週試合を見に行けるし、最前線で選手にいろいろ話を聞いて、それをサッカーファンの方々に伝えられるという仕事に就けたというのは、なんて幸せなんだろうと感じています。

―― 1年間にいろいろ取材されていますが、印象に残っている試合を教えてください。

三谷 2つあるんですけど、ひとつは初めて「アナカメ」を担当した試合です。昨シーズンなんですけれども、等々力での川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸戦になります。

 私と先輩アナの寺川俊平さんも同じように「アナカメ」をやったんですけれども、寺川さんは神戸側に行って、私は川崎フロンターレ側でのレポートでした。時期が10月だったので、だんだんとJリーグの上位が決まりつつあって、そんななかフロンターレもそろそろ優勝が視界に入ってきていた時期でした。

 しかも、小林悠選手がケガ明けの試合だったんです。だから、フロンターレ的にはそれもあって大事な試合でした。ただ、その日が大雨だったんですよ。初めての(アナカメの)試合が大雨で、すごく大変だったのを覚えています。

 それ以前は記者席で試合を見て、簡単なスコアをつけてということをしていたんですが、ピッチサイドで選手たちの息遣いが見えるような至近距離で取材をしながら、雨の中カメラを回して、実況もつけてくれと言われて。

 でも、やったことがないから、何が正しくて何が間違っていて、今、私がやっていることはこれで正解なんだろうかという不安な気持ちのまま90分過ごした記憶があります。今となっては笑い話になっているんですけど。

―― もうひとつは?

三谷 それは比較的、最近なんですけど、今年のルヴァンカップ決勝(川崎フロンターレ対北海道コンサドーレ札幌)です。あれも先輩の久冨(慶子)アナと2人で取材に行って、下馬評ではフロンターレが優勝するだろうという見方が多かったんです。

 そんななか、私は札幌側のほうに「アナカメ」で入ったんですが、そうすると、本当はよくないですし、そうならないように気をつけてはいるんですが、普段から「アナカメ」の担当になったチームのほうをつい応援してしまうんですよね。

 そうしたら、その試合は札幌が先制して。ピッチサイドにいて「あれっ、これ、どうしよう。優勝しちゃうかもしれない」ってその場でジャンプしたくなるくらいのワクワク感が自分の中に出てきてしまったんです。

 それでもすぐ「まずい。まずい」と自重して、フロンターレのディフェンスを褒めたりとかもしていたんですが、札幌の選手が活躍すると、ついついそっちばかりを撮りたくなってしまうし。そういった一方のチームに偏ってしまう感情を抑えるのに大変でした。

 試合も点を取りつ取られつの展開で、間近に見る選手たちの気迫もすごかったですし、スタジアム全体の雰囲気も普段のリーグ戦の試合とは違っていて、優勝カップが目の前にある試合というのはこんなにも違うんだなというのをその時強く感じました。

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