小平奈緒が長野でスイッチON。ロシア勢に後れをとっていたワケ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 翌日の1000mは、本人が「覚えていないくらいに久々のインレーンスタートなので、けっこうワクワクしていた」というレースだったが、3種目出場している中でまだ、種目としても調整しきれていない状態だった。

「3種目に出場して経験値を積んでいる段階の中で、500mは徐々にそれが滑りに結びついてきているけど、1000mと1500mは、まだ調和がとれていない部分もある」と小平が言うように、前半から本来の突っ込みを見せられないペースで、ラスト1周では同走のグリコワを差して1分15秒07でゴールしたが、1分14秒台で滑った上位3人には及ばず4位になった。

 そして最終日の500m第2レースでは、前に滑ったゴリコワが37秒24を出し、昨季は世界距離別で小平に勝って優勝しているバネッサ・ヘルツォーク(オーストリア)が37秒45を記録。小平は37秒50で3位だった。

 レースでは少しトライしたことがあり、それがうまく形にならなかったという小平だが、それでも表情は明るかった。この日は日曜日で、小平が出場していることを知った地元の人たちが数多く来場した。「観客が多くなるかもしれないと思って朝からワクワクしていて、ちょっと硬くなってしまった」と、うれしい反面、緊張もあったようだ。

「ここ2~3年は、(今シーズンのように)勝ったり負けたりという経験がなかったので、今こういう状況にあるのは、(今後)すごくプラスに働いていくと思います」

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