男子スピードスケート期待の村上と新濱。ロシア勢に勝利へ課題は見えた (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 新濱が「村上との同走で焦りが出た」というように、村上も新濱との同走は「けっこうプレッシャーがかかるので、本当は嫌なんです」と苦笑する。この組み合わせになったのも、この敗戦に若干影響しているのだろう。ともに前日は500mのあとにチームスプリントも滑っていて、その疲労もあった。そんな状態の中でも、従来のリンク記録より速く滑れたということは、敗れたとはいえ力のあることを証明するものだ。

 27歳になったばかりの村上は、W杯フル参戦は3シーズン前からと遅咲きの選手。「今日は50mから100mにかけては昨日より伸ばせたと思いますが、第2カーブの入りをもう少しきれいにすれば、もっとタイムを伸ばせたかなと思う。それができなかったのが、ムシュタコフ選手に届かなかった要因」とこの大会で課題は明確になった。

 また、世界歴代2位の33秒79を持つ新濱も「今季は2月の世界距離別選手権に照準を合わせているので、ここはあくまでも通過点。課題のコーナーに関しても10月より手ごたえを感じているし、少しずつ成長している。あとはメンタルの問題なので、練習の時から常にレースをイメージしていくことが大切だと思う」と話す。

 W杯ランキングは、ともに第3戦を欠場しながらも、新濱が2位で村上が4位という状況。世界との勝負はこれからしばらくないが、2月のW杯第6戦で再開され、そのあとの世界距離別選手権、スプリントとオールラウンドが同時開催になった世界選手権、W杯ファイナルへと続く。そこでのロシア勢との対決を制するためにも、12月26日からの全日本選手権をしっかり滑り切り、次へ向かって準備していく段階に入る。

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