2強の「ナガマツ」と「フクヒロ」。東京五輪決勝で対戦もあり得る (2ページ目)

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • photo by Hirano Takaya

 対峙した福島は「相手のスマッシュも後半になるにつれて、速いと感じるようになったというか、スピードが上がってきたし(こちらが打っても)レシーブでも絶対に決まらなかった。その中で自分たちがどうするか考えているうちにミスをして、迷いが出た」と流れを奪われたことを認めた。互いの良さを出し合う試合だった。

 この2組は、今後も要注目だ。バドミントンの東京五輪出場権争いは、来年4月末まで続く。世界ランク8位以内に2組が入れば、最大2組まで同じ国から出場できる。世界ランク(以下、すべて11月26日付け)では福島/廣田が2位、永原/松本が3位。

 2016年リオデジャネイロ五輪の金メダリスト高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)も世界ランク4位と健在で、現状では3組が8位以上の条件を満たすのだが、高橋/松友は、今秋の国際大会の成績が振るわず、日本勢同士の順位争いで苦境に立たされている(現状の五輪レースポイントは、福島/廣田が85602点、永原/松本が78693点、高橋/松友が71772点)。

 そして12月には、永原/松本と福島/廣田の2組がさらに抜け出す可能性が高い。年間成績上位8組が出場するBWFワールドツアーファイナルズ(以下、ファイナルズ=11日開幕、中国・広州)は、世界選手権に次いでランキングポイントの高い大会で、最低でもベスト8相当のポイントが上積みできる。この大会も同国最大2枠で、成績上位の永原/松本と福島/廣田が出場するのだ。

 五輪レース全体で見ると、現在の世界ランクが示すように福島/廣田が上。しかし、2度の世界選手権や今回の全日本総合選手権のように、大一番でより力を発揮するのが永原/松本だ。

 国際大会に限っても3連敗中の福島は「今日の2ゲーム目の途中までは、良いイメージ。相手がやってくることを考えながら良い球出しができた。いつか借りを返せるように頑張りたい」と雪辱を誓った。ファイナルズでも2組が決勝で対戦する可能性があるが、国外に目を向けると気になる兆候も見られる。

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