エペ世界1位の見延が考える相乗効果「後輩には隠すことなく教える」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 男子エペの場合、日本は現在5位の韓国に1点差の6位につけているが、7位には3点差で中国が控えている状況だ。

「世界選手権は、ベスト16でイスラエルに負けて9位という不甲斐ない結果でしたが、もっと正面からぶつかっていってもよかったという意見も出ました。まだ残り4試合あるし、エペは変わり者の集まりだと思うのでチームにも幅がある。

 ワンマンチームではなく、どこからもポイントを取れる力を持っているので、ランキングは上げていけると思います。チームとしても僕だけが引っ張るというのではなく、その時に、調子がいい選手を軸に置けるし信頼関係もできている。一番金メダルに近いチームもエペかなと思っています」

 自信を持つ見延だが、個人でも金メダルを意識している。最近は世界でも若い選手がどんどん出てきて表彰台に上がってきているが、優勝となると、なかなか届かない状況だ。ただ、最終的には金メダルの重みを知っている選手の方が強いはずだ。

「その意味では、僕は優勝を何度も経験しているので、準決勝に入る前の控室ではもう心理戦が始まっていますが、そういうところで優位に立てているのも結果を出せている要因。ちょっとずつ王者の風格のようなものも出せているのかなと思います」

 見延は自信を持って東京五輪の出場枠獲得レースに臨んでいる。

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