2019.10.06

エペ世界1位の見延が考える相乗効果
「後輩には隠すことなく教える」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 そのエペ男子は現在、世界ランキング1位の見延に続いて21歳の加納虹輝(早稲田大)が5位、25歳の山田優(自衛隊体育学校)が14位、27歳の宇山賢(三菱電機)が20位と他の種目に比べても勢いがある。

「僕自身もワールドカップを回り始めた時に、西田さんがワールドカップでメダルを獲っていると知って、『日本人でもエペでメダルを獲れるんだ』と驚いて、僕も獲ろうという意識になりました。

 それと同じように今若い選手たちには、『日本人でも優勝できるんだ。世界ランキング1位になれるんだ』と刺激になっているから、今のチームの結果があると思います。だから後輩たちには包み隠すことなく教えて、僕が持っているものを共有しようと思っています。それで強くなってくれれば、僕自身まだ若手には負けてないと思うことができる。そういう相乗効果も出ていると思います」

 まだ日本では五輪でメダルを獲ったフルーレのほうが認知度が高い。そのため見延は他の選手たちには、常に「エペは最強だから、その誇りを持とう」と言い続けている。その結果、徐々に他の選手たちもエペとしてのプライドを持ち始めているという。

「今まではフルーレからエペに行く流れが多かったけれど、最近ではエペが好きで最初からエペをやるという選手も増えてきた。日本人が一番勝ちやすいのはフルーレだと思いますが、フェンシングをさらに普及するためには、やっぱりエペでも結果を出していかないといけない」

 東京五輪では、開催国枠として男女合わせて8名分出場枠が与えられるが、各種目の個人戦に最大3名が出場するためには、団体の出場権を自力で取ることが日本にとっては最重要になる。それを狙っているのが、男女フルーレとともに男子エペだ。団体は来年4月4日までに獲得したポイントで、世界ランキング4位以内に入っていれば出場権を得られるが、5位以下は大陸最上位の国だけに与えられる。