東京五輪トライアスロン本番の「勝負の分かれ目」が判明した! (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

 日本トライアスロン連合の中山俊行オリンピック対策チームリーダーは、このコースについてこう話す。

「先頭交代をするためには長くて広い直線がなければいけないが、このコースはカーブが多いのでそれが難しい。そのあたりのテクニックも必要になる」

 国際トライアスロン連合のゲイゲル・マーカスパフォーマンスディレクターが、「どんな大会でも選手の安全を第一に考えなければいけないので、五輪本番でも状況によっては距離を短縮する可能性もある」と話すように、ランが短縮されれば、選手たちは力の配分を変えて、ランよりもスイムとバイクで積極的にパワーを使うだろう。

 そのうえ、バイクコースで抜くのが難しいとなれば、スイムがより重要になる。中山チームリーダーも、今回の高橋のレースを見て「スイムで横浜大会のように先頭集団につけていたら、入賞はできただろうし、(1位と2位の)失格もあったから、もしかしたら表彰台まで行けたかもしれない」と残念がった。

「横浜大会はすごくいい流れで先頭集団に入れたので、今回もそのイメージを持ってやっていましたが、なかなかスイムが思うようにいかなくて。やっぱりスイムが一番の課題だと痛感しました」(高橋)

 暑熱対策とともに、30℃を超える高い水温の中で、いかに早く泳ぎ切るか。これが東京五輪へ向けての大きな課題であり、勝負の分かれ目になってくるはずだ。

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