激戦のカーリング界。2022年北京五輪の選考レースが早くもスタート (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 昨季、WCTランキングの国内最上位で、ワールドツアー「グランドスラム」の常連チームになりつつあるロコ・ソラーレは、日本チーム初のグランドスラム制覇と、昨季逃した日本女王の座を奪還することが今季の目標となる。

 今回の国内2大会を消化したあとは、すぐにアメリカ・ノースカロライナ州ローリーの大会に出場。その後、カナダを転戦し、ひとつでも多くのグランドスラムタイトルに挑戦し、そこで結果を求めながら、チームのさらなるレベルアップも推し進めていく。

 一方で、国内のアイスにも乗り続けることを明言している。12月に軽井沢で開催されるWCTタイトルの『軽井沢国際カーリング選手権』にも、すでに参加を表明。同地で開催される今季の日本選手権に向けて、密度の濃い強化を図っていくことになる。

 その長いシーズンを戦い抜くためにも、チームは7月、オンアイスに入る前に宮崎でミニキャンプを張った。ヨガ、サーフィン、スタンドアップパドルなど、積極的に新しいトレーニングを取り入れ、心身のベースアップを図った。

「これまで作ってきた身体がアイスの上で動くか。カーリングにフィットするか。もちろん勝ちを意識しながら、確かめていきたい」(サード・吉田知那美)

 この先、各チームは中長期でスケジューリングを考え、日本選手権の結果や刻々と変動するWCTランキングに合わせて、強化スケジュールも柔軟かつ頻繁に修正していくことが求められるだろう。技術やメンタルとは異なるが、それもまた、近代カーリングではトップチームの資質のひとつになっている。

 まずは今季、どのチームが"ポールポジション"を獲得するのか。3シーズンにもわたる北京五輪への熾烈なレースがいよいよ始まる。

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