後藤晴菜アナの入社試験の記憶「生半可じゃない陸上愛を伝えました」 (4ページ目)

  • sportiva●文 text by sportiva
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

―― 取材をするうえで気をつけていることはなんですか。

後藤 短い3分ほどのインタビューから1時間ほどのロングインタビューまでいろんなインタビューがあるのですが、とにかく積み重ねが大切だと思っています。最初は緊張で声も出せず、ペコリと会釈するのが精一杯の選手もたくさんいらっしゃいます。でも、100回のペコリから、今度は「こんにちは」のひと言につながる。その積み重ねが生きたからこそ、スムーズにインタビューできたということも多々あります。せっかくのインタビューで「はじめまして。よろしくお願いします」からスタートするよりも、その日に至るまでの積み重ねがあったほうがお互いに心を開いてお話できるのかなと思っています。

―― 取材した情報を生放送でお話しされますが、気をつけていることは?

後藤 上田晋也さんとのやり取りですね(笑)。オープニングで私のひと言に上田さんがどうツッコんでくださるか、当たり前ですが台本には書いてありません。「上田さん、こう言ってくるかな。いや、逆にこう言ってくることもあるかもしれないな」って、自分の中でできる限り引き出しを用意するんですが、予想通りにいくことはほとんどありません(笑)。

―― そこで「失敗したな」と思うと、引きずってしまうんですか。

後藤 引きずります...。番組中ずっと尾を引くんです。ミスをしないためにも、オープニングでいいスタートを切りたいです。

―― 逆に言うと、見ている人にとってはそこが注目でもあるんですね。

後藤 そうかもしれません。シナリオがない部分なので、楽しんでもらえたらうれしいですね。

―― 改めて番組の魅力を教えてください。

後藤 今年、『Going!』は10年目に突入しています。その日に起きたスポーツニュースを取り扱うというのはもちろんですが、9年間の積み重ねが詰まった番組だなと思っています。ありがたいことにアスリートの皆さんの中でも『Going!』という番組が浸透していて、『Going!』だから話してもらえたということもたくさんあるんです。選手ひとりひとりの過程を積み重ねて取材しているという部分では、他に負けないものを持っているのではと思います。

―― 今後取材したい選手や、注目している競技を教えてください。

後藤 オリンピックの新競技は、私もまだまだ知識が浅い分野です。スポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、BMX、空手は楽しみですね。若い10代の選手も多いですし、視聴者のみなさんと一緒に勉強していくような気持ちでどんどん取材をしたいなと思っています。取材したい選手は...悩みますね。陸上をやってきたという点で、お会いしてみたいというのは、アリソン・フェリックス選手(アメリカ/陸上短距離の女王)です。"憧れ"とひと言ではまとめられないくらい尊敬している選手です。なかなかひとりに決めきれませんが、大坂なおみ選手もお会いしたい選手のひとりです。試合後の記者会見でときどき見せるチャーミングな姿もファンをとりこにしますよね。とにかく、ひとりでも多くの選手に会い、ひとつでも多くの競技に触れて、東京オリンピックを迎えたいです。

Profile
ごとう・はるな。1990年4月12日生まれ。愛知県出身。A型
趣味:飛行機を見ること。乗ること。特技:ピアノを弾くこと
好きな言葉・座右の銘:一点集中・全面展開

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