後藤晴菜アナの入社試験の記憶「生半可じゃない陸上愛を伝えました」 (2ページ目)

  • sportiva●文 text by sportiva
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

―― 陸上を始めたきっかけを教えてください。

後藤 走るのが得意だったというのが一番の理由です。小学生の頃は運動会が近づくと、父と公園で朝練をしていました(笑)。とにかく幼いころから負けず嫌いで。中学校はそんなに部活の数が多くなかったので、迷うこともなく吸い込まれるように陸上部に入りました。

―― 種目としては短距離だったんですよね。

後藤 はい。ハードルや走り幅跳びに挑戦したこともありましたが、どうもセンスがなくて(笑)。シンプルに走るだけという短距離が一番自分に合っていました。100分の1秒でも速く走りたい、ただただその一心でした。

―― 市川さんや今井さんとの出会いもあり、それがきっかけでアナウンサーを目指されたとか。

後藤 そうですね。出身地の愛知を代表するような選手になれるか、日本を代表するような選手になれるか、というと、私は到底およばない選手でした。"一番"になることの厳しさ、難しさに触れた瞬間だと思います。ただ、ぽっこりと鍛えられたふくらはぎを見た時に、「あぁ。私の青春は間違いなくここに詰まっているなぁ。」と思ったんです。別の形でこの先も陸上競技に関わることはできないか、その選択肢のひとつとしてアナウンサーという道を考えるようになりました。ディレクターや記者という道もあったかもしれません。何とかして陸上に関わる道をつなげておきたかったんです。

―― 入社試験の面接時には、スポーツ報道に携わりたいというお話をされたんですか。

後藤 陸上競技の話しかしてないんじゃないかというぐらい(笑)。最終面接では、福島千里選手の話をしました。日テレは毎年箱根駅伝の中継もあるので、その歴史なども勉強しましたね。「私、生半可な気持ちではないんです」というのをどうしたら伝えられるかなと考えながら受けていました。

―― 『Going!』は2014年から担当されています。決まったときはうれしかったですか。

後藤 頭の中が真っ白になってしまうくらい、本当にうれしかったです。もちろん、スポーツ番組を担当したいと話していたものの、希望が通るとは限りません。適性だけでなく、運とタイミングもあると思うんです。スポーツに関わるなら『Going!』、そしていずれオリンピックに携わりたいというのが自分の中の未来予想図だったので、入社2年目でそのスタート地点に立つということは少し怖さもありました。

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