プロゲーマー・ウメハラの試合に熱狂。大阪から広がる 「eスポーツ」の波 (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

大阪eスポーツ研究会の設立に尽力したSPOTAKAの代表取締役・高橋氏(中央)大阪eスポーツ研究会の設立に尽力したSPOTAKAの代表取締役・高橋氏(中央) はじめに行われた、浜村氏による基調講演は「急成長する世界のeスポーツ市場と日本の現状・可能性」をテーマにスタート。eスポーツの市場規模について触れつつ、アジアでの成長の可能性も強調した。

「2017年度時点で6億5500万ドルの収益があると言われております。5年後の2022年には、約2.7倍の18億ドルぐらいまで大きくなると予想されているんです。eスポーツはアメリカやヨーロッパに人気がある印象があると思いますが、実は熱烈なファンはアジアに多い。2019年度予測のeスポーツの常連ファン(2億100万人)のうち57%がアジアのファンなんです」

 実際に、今年2月に福岡で行なわれた格闘ゲームのイベント「EVO Japan」でも、アジア系の来場者が多かったという。そのことからも訪日外国人客の増加によって日本が支えられていることが分かるため、eスポーツを絡めた大阪万博によって見込める巨大なインバウンド需要への期待も高まるだろう。

 最後に「野球やサッカーといったメジャースポーツはテレビで大きくなりましたが、今の若い人たちはテレビを観ません。インターネット上の動画を視聴しているんです。ただ、その中の一つのコンテンツがeスポーツだった。動画で競技を観て、選手のファンになり、支援をする。その流れが大きな経済産業を生み出しているんです。したがって、eスポーツはテレビを観なくなった若い世代が作り上げた競技。これからはその次世代の人が支えていく市場になると思うので、ベンチャー気質の高い大阪なら、伸びる可能性は十分にある」とeスポーツと大阪の相性のよさを口にした。

 続いて、プロゲーマーのウメハラ、どぐら、小路KOGの3人が登壇。"プロの凄さ"をわかりやすく説明・体感してもらえるよう小路KOGの解説を交えながら、格闘ゲーム「ストリートファイターV アーケードエディション」を使用したエキシビションマッチを開催した。

 ウメハラは初戦、同じく1990年代から活動しているレジェンド・中野貴博氏(株式会社スサノオ社長)と激突。試合は終始ウメハラのペースで進み、中野氏に付け入る隙を与えることなくウメハラが完勝。その圧倒的な強さに、会場はどよめきが起こっていた。

 続いてウメハラは、大阪を拠点に活動するプロチーム「CYCLOPS athlete gaming」に所属するどぐらと対決。今回は世界で最もポピュラーな「1試合3セット、2本先取、2R先取」のルールで試合が行なわれた。

 1試合目はウメハラが、2試合目はどぐらが取ってスコアは1-1。そして最後は、やはり百戦錬磨のウメハラが勝負強さを発揮し、2-1で勝利。プロゲーマーならではのスピーディーで高度な技の応酬に、会場からは選手に対して大きな拍手が浴びせられた。

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