フェンシング松山恭助は五輪出場へ自信。男子フルーレは今が黄金世代 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 そんな日本チームが参考にするのは、現在世界ランキング1位になっているアメリカだ。メンバーは現在25~29歳で、ジュニアの頃からワールドカップなどを一緒に転戦してきた選手たちだ。シニアに出始めた頃は下位だったが、それぞれが力をつけて現在では世界ランキング2位のレース・インボーデンを筆頭に10位以内に3人が入り、4人目の選手も21位につけている。

「コーチのオレグ・マチェイチュクもよく『彼らも昔は結果が出ていなかったんだよ』と言ってくれるけど、彼らも僕たちと同じようにポテンシャルの塊だったと思うんです。だから、僕らもそのポテンシャルをいかに発揮するかだけだと感じています。

 僕らが目指すべきは、アメリカのようなチームだし、全員が個人のランキングを上げていかなければいけない。そのためにも今は、過去の栄光にとらわれないことが大事ですね。自信をなくしてはダメだけど、それにしがみつくのではなく、ダメなところは捨てていいところは残すというのが一番大事だと思います」

 18年ユニバーシアードで銀メダルを獲得している松山は、「世代別のメダルは全部獲ってきているから、あとはシニアだけです」と笑顔を見せる。そんな彼がチームのみんなをどのように鼓舞していくか。それが東京五輪出場枠獲得レースや、本番での戦いに重要になってくるだろう。

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