2019.05.04

太田雄貴、北京五輪銀メダル
までの苦闘の道。先輩への想いを胸に

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Tohshimi
  • photo by AFP/AFLO

 それでも、戦いを終えた太田の表情は清々しかった。

「金メダルだけがメダルじゃないと思うし、自分としては本当によく頑張ったと思います。日本のフェンシングは、これまで64年東京五輪の男子フルーレ団体の4位が最高だったので、それを塗り替えられたことは自慢したいと思います」

 さらに、次のロンドン五輪へ向けてこう話した。

「僕にはどうしても五輪へ一緒に行きたい選手がいる。年齢は上だけど代表チームに入ったのも一緒だったし、一緒に頑張ってきた。次の五輪の団体戦は、彼らと行けたらと思っています」

「彼ら」とは、団体世界ランキング5位の立役者でもあり、心の支えになってくれた先輩の福田祐輔や市川恭也のことだ。12年のロンドン五輪の団体戦は、同い年の千田健太や若い選手とのチームにはなったが、こうした先輩たちへの太田の想いが、北京での銀メダル獲得までの1試合1試合に込められていた。

関連記事